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吉田拓郎「舞姫」について
「舞姫」は吉田拓郎が1978年にリリースした15枚目のシングルで、作詞に松本隆を迎えた作品です。都会の夜を舞う女性の姿を幻想的かつ切ないタッチで描いた楽曲で、拓郎のキャリアの中でも異色のニューミュージック作品として知られています。
吉田拓郎が松本隆と初めてタッグを組んだシングルで、松本隆の詩的で都会的な歌詞と、拓郎のメロディが融合したことで、 フォークからニューミュージックへの橋渡し的な作品となりました。「舞姫」というタイトルは、女性の美しさと儚さを象徴し、 拓郎の音楽に新しい表現の幅をもたらしました。この曲は、吉田拓郎が「フォークの旗手」から「ニューミュージックの開拓者」へと歩みを進める過程で生まれた作品と言えます。
舞姫
歌:吉田拓郎/詞:松本隆/曲:吉田拓郎
霧けむる 瓦斯灯の火が
君の瞳の 涙を照らす
ものすべて 灰色の街
ぬぎ捨てた 靴だけ紅いよ
「死にましょう」ため息まじりの冗談に
「死ねないよ」年月だけがあとずさる
舞姫 舞姫
都会の夜を 今駆け巡 る
恋という名の 舞踏会
舞姫 君は手足が 舞姫 そう折れるまで
踊りつづける つもりだね
鞄へと 夢をつめこみ
君は来た このみぞれ街
三日後(あと)に 東京湾から
吹く風に 髪も凍えた
「愛しましょう」心を絞って叫んでも
「愛せないよ」顔をそむける人ばかり
舞姫 舞姫
はじめて君を 見た居酒屋で
涙相手に 踊ってたね
舞姫 不幸は女を 舞姫 美しくする
男をそこにくぎづける
透き通る 硝子の肌を
抱きしめて あたためたかった
でもそれが やさしさなのか
愛なのか わからぬままに
「死にましょう」女の瞳の切っ尖に
「死ねないよ」淋しさだけが押し黙る
舞姫 舞姫
君の寝床に レモンを置いて
今夜遠くに 旅立つよ
舞姫 人は死ぬまで 舞姫 運命という
糸にひかれて踊るのさ
舞姫 人は死ぬまで 舞姫 運命という
糸にひかれて踊るのさ