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吉田拓郎「アジアの片隅で」について
「アジアの片隅で」は、1980年11月5日発売の同名アルバムに収録された “12分超の大作” で、拓郎が〈社会の荒廃〉〈人間の弱さ〉〈アジアという現実〉に真正面から向き合った、キャリア屈指のメッセージソングです。ライブ録音のみが存在し、圧倒的なシャウトと重厚なバンドサウンドが“80年代の『人間なんて』”と評されるほど強烈な作品です。
歌詞は、戦争・貧困・暴力・政治不信・飢え・虚無感といった、アジアの現実を淡々と、しかし容赦なく描写しています。直接的な反戦歌ではありませんが、戦うことをやめた人々の疲弊と諦観が深く流れています。
アジアの片隅で
歌:吉田拓郎/詞:岡本おさみ/曲:吉田拓郎
ひと晩たてば 政治家の首がすげかわり
子分共は慌てふためくだろう
闇で動いた金を 新聞は書きたてるだろう
ひと晩たてば 国境を戦火が燃えつくし
子供達を飢えが襲うだろう
むき出しのあばら骨は 戦争を憎みつづけるだろう
アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
アジアの片隅で このままずっと
生きてゆくのかと思うのだが
ひと晩たてば 街並は汚れ続けるだろう
車は人を轢き続けるだろう
退屈な仕事は 野性の魂を老けさせるだろう
ひと晩たてば チャンピオンはリングに転がり
セールスマンは道路に坐りこむだろう
年寄りと放浪者は 乾杯の朝を迎えないだろう
アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
アジアの片隅で このままずっと
生きてゆくのかと思うのだが
ひと晩たてば 秘密の恋があばかれて
女たちは噂の鳥を放つだろう
古いアパートの部屋で 幸せな恋も実るだろう
ひと晩たてば 頭に彫った誓いがくずれ落ちて
暮らしの荒野が待ち受けるだろう
甘ったれた子供達は 権利ばかり主張するだろう
アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
アジアの片隅で このままずっと
生きてゆくのかと思うのだが
ひと晩たてば 働いて働きづくめの男が
借りた金にほろぼされるだろう
それでも男は 政治などをあてにしないだろう
ひと晩たてば 女まがいの唄があふれだして
やさしさがたたき売られる事だろう
悩む者と飢えた者は 両手で耳をふさぐだろう
アジアの片隅で お前もおれもこのままずっと
アジアの片隅で このままずっと生きてゆくのかと
アジアの片隅で アジアの片隅で
アジアの片隅で アジアの片隅で
アジアの片隅で アジアの片隅で
アジアの片隅で アジアの片隅で
アジアの片隅で アジアの片隅で
アジアの片隅で アジアの片隅で