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吉田拓郎「とっぽい男のバラード」について
「とっぽい男のバラード」は、1970年11月1日発売のアルバム『青春の詩』に収録されている、どうしようもない男の人生をユーモラスに描いた作品です。 歌詞に登場する男は、徹底的に“冴えない”キャラクターです。“時代に取り残された男の悲哀”を歌い、最後は「あの世ならゆっくりすわれる(居場所がる)」と旅立つが、あの世ですら“すわれる場所(居場所)を探している”というオチで終わります。このブラックユーモアが、拓郎の反骨精神と社会風刺を象徴しています。
とっぽい男のバラード
歌:吉田拓郎/詞:吉田拓郎/曲:吉田拓郎
何をやってもダメな
うすのろだけの男
好きな女がいても
他の男にとられて
とっぽくて とりえのない男
雨が降ろうと風吹こうと
一年中変らない
年がら年中すわってる
ひまさえあればすわってる
とっぽくて とりえのない男
生れる時代が違った
騒々しい世の中さ
お前ひとりがとまると
まわりがみんなおこりだす
とっぽくて 街も歩けない
昔のお江戸に住めたなら
もっと長生きできただろうに
長屋でゆっくり 昼寝をしてから
夜になったら 一杯やって
今の都会にゃお前が
ゆっくりすわれる場所もない
キャバレークラブへ行けば
すわれるかわりに金がいる
とっぽくて 遊べる金もない
男はとうとう自分の
ゆっくりできるところを
みつけるために旅に出た
ところが汽車にもすわれない
うすのろで すわる場所もない
最後に男は笑った
これでゆっくりできるだろう
この世じゃとっても住めない
あの世へ行けばすわれる
とっぽくて とりえのない男
あの世も今ではせまくなり
なかなかゆっくりできない
男はあの世で今日も
すわれるところをさがす
とっぽくて とりえのない男