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    吉田拓郎「イメージの詩」について

    「イメージの詩」は、吉田拓郎が1970年に発表したデビュー曲で、日本のフォークソングに新しい風を吹き込みました。
    この曲は、当時の社会情勢や若者の心情を背景に、孤独や葛藤、そして希望を描いています。歌詞には「長い長い坂」や「古い船と新しい水夫」といった象徴的な表現が使われていて、聴く人それぞれの人生に重ねて感じることができるのが魅力です。吉田拓郎が広島フォーク村で活動していた頃に作られた曲で、ボブ・ディランの影響も受けていると言われています。素朴なメロディと飾らない言葉で、心の奥にある感情をまっすぐに歌っているところが、多くの人の心に響く理由でしょう。今でも歌い継がれ、時代を超えて愛されています。


    イメージの詩
    歌:吉田拓郎 詞:吉田拓郎 曲:吉田拓郎

    これこそはと 信じれるものが
    この世にあるだろうか
    信じるものが あったとしても
    信じないそぶり

    悲しい涙を流している人は
    きれいなものでしょうね
    涙をこらえて 笑っている人は
    きれいなものでしょうね

    男はどうして 女を求めて
    さまよっているんだろう
    女はどうして 男を求めて
    着飾っているんだろう

    いいかげんな奴らと 口をあわして
    俺は歩いていたい
    いいかげんな奴らも 口をあわして
    俺と歩くだろう

    たたかい続ける人の心を
    誰もがわかってるなら
    たたかい続ける人の心は
    あんなには 燃えないだろう

    傷つけあうのが こわかった昔は
    遠い過去のこと
    人には人を傷つける
    力があったんだろう

    吹きぬける風のような 俺の住む世界へ
    一度はおいでよ
    荒れ果てた大地にチッポケな花を一つ
    咲かせておこう

    俺もきっと 君のいる太陽のあるところへ
    行ってみるよ
    そして きっと言うだろう 来てみて良かった
    君がいるから

    長い長い坂を登って うしろを見てごらん
    誰もいないだろう
    長い長い坂をおりて うしろを見てごらん
    皆が上で 手を振るさ

    きどったしぐさが したかったあんた
    鏡を見てごらん
    きどったアンタが映ってるじゃないか
    アンタは立派な人さ

    激しい激しい恋をしている俺は
    いったい誰のもの
    自分じゃ 言いたいのさ 君だけの俺だと
    君だけのものだと

    裏切りの恋の中で俺は一人もがいている
    はじめから だますつもりでいたのかい
    僕の恋人よ

    古い船には新しい水夫が
    乗り込んで行くだろう
    古い船をいま 動かせるのは
    古い水夫じゃないだろう

    なぜなら古い船も 新しい船のように
    新しい海へ出る
    古い水夫は知っているのさ
    新しい海のこわさを

    いったい 俺たちの魂のふるさとってのは
    どこにあるんだろうか
    自然に帰れって言うことは
    どういうことなんだろうか

    誰かが言ってたぜ 俺は人間として
    自然に生きてるんだと
    自然に生きてるって わかるなんて
    何んて不自然なんだろう

    孤独をいつの間にか
    淋しがりやと かんちがいして
    キザなセリフをならべたてる
    そんな自分を見た

    悲しい男と 悲しい女の
    いつものひとりごと
    それでも いつかは いつものように
    慰めあっている






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