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やしきたかじん「東京」について
「東京」(やしきたかじん)は、1993年3月25日リリースのシングルで、“女性一人称の情念歌”でありながら、実は〈愛された男の物語〉として成立している異色の楽曲です。関西弁で歌われる“東京”というタイトルの逆説性、語り手の主体を極限まで薄めて男性像を浮かび上がらせる構造、そして助詞の選択による“余白のレトリック”が特徴です。
語り手にとって東京は、「男が生まれた街」「男と生きた街」であり、都市そのものが男性の象徴として扱われています。サビで「東京〜」と歌い上げる快感は、実は“男への呼びかけ”と同義になっているため、男性が歌っても強いカタルシスが生まれます。
東京
歌:やしきたかじん/詞:及川眠子/曲:川上明彦
あんたとなら いつ死んでもかまわへん
忘れないで そんな女いたことを
見上げた空さえも 冷たい色やけど
あたしが本気で惚れた ひと
そう 生まれた街やから
いとしさも 憎しみも
すべてすべて ぎゅっと抱きしめ
祈るように 今日も灯が
ともる東京
夢だけ見て 生きてるようなあんたやった
いつかあたし 待つことにも慣れてたよ
くすんだ風のなか 肩よせ暮らしたね
誰にも似てへんひとやけど
本物の愛をくれた
悲しくて 悔しくて
泣いて泣いてばかりいたけど
かけがえのないひとに
逢えた東京
痛いほど 好きなのに
なんでなんで 別れたんやろ
いまもまだ 胸の奥
揺れる東京
悲しくて 悔しくて
泣いて泣いてばかりいたけど
かけがえのないひとに
逢えた東京