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森田童子「ぼくたちの失敗」について
この曲は、青春の痛みや喪失感、孤独といった繊細な感情を静かに描いています。例えば、冒頭の一節「春のこもれ陽の中で 君のやさしさに うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ」、このような言葉が、聴く人の心に深く染み渡ります。地下のジャズ喫茶、電熱器、チャーリー・パーカーなど、具体的な情景描写が、1970年代の空気感とともに、若者の心の揺れを浮かび上がらせています。
1993年のドラマ『高校教師』は、野島伸司の脚本による衝撃的な内容で話題となり、その主題歌として「ぼくたちの失敗」が使われたことで、楽曲の持つ暗く切ない世界観がドラマと強く結びつきました。森田童子はすでに1983年に音楽活動を引退していましたが、この再評価によってベスト盤やオリジナルアルバムのCD化が進みました。
ぼくたちの失敗
歌:森田童子 詞:森田童子 曲:森田童子
春のこもれ陽の中で 君のやさしさに
うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ
君と話し疲れて いつか黙りこんだ
ストーブ代わりの電熱器 赤く燃えていた
地下のジャズ喫茶 変われないぼくたちがいた
悪い夢のように 時がなぜてゆく
ぼくがひとりになった 部屋にきみの好きな
チャーリー・パーカー見つけたヨ
ぼくを忘れたカナ
だめになったぼくを見て 君もびっくりしただろう
あの子はまだ元気かい 昔の話だネ
春のこもれ陽の中で 君のやさしさに
うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ