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円広志「夢想花」について
「夢想花」は、円広志の個人的な苦境から生まれたユニークな楽曲です。
音楽活動で生計を立てることに挫折し、故郷の大阪に戻ることを決意していた時期に作られました。当時の彼は、失恋や音楽への夢を断たれたことによる深い絶望感を抱えていました。
部屋でギターをかき鳴らしながら、その行き場のない感情をぶつけるようにして生まれたのが、あの「飛んで、飛んで、飛んで…」というフレーズでした。これは、空虚な気持ちを表現したもので、「飛びたい、でも飛べない」という葛藤が込められています。このフレーズは、わずか5分で完成したと言われています。その際、友人から「せっかくだからポプコンに出してみたら?」と勧められ、最後の思い出として応募し、第16回ポピュラーソングコンテストつま恋本選会に出場し、グランプリを受賞しました。
同年11月には、日本で開催された第9回世界歌謡祭でもグランプリに輝き、国内外から注目を集めました。
1978年11月にシングルとしてリリースされると、そのキャッチーなサビと親しみやすいメロディが次第に人気を博し、「とんで、とんで」のフレーズは、多くのバラエティ番組やCMでパロディにされ、社会現象となりました。当時、このフレーズを知らない人はいないと言われるほどでした。
最終的に、約80万枚という大ヒットを記録し、円広志は一躍トップアーティストの仲間入りを果たしました。
「夢想花」は、一見するとコミカルで楽しいイメージが先行しがちですが、歌詞全体を読み解くと、非常に内省的で切ない心情が描かれています。「もう忘れてしまいたい」というフレーズが繰り返され、叶わなかった夢や愛への後悔がにじみ出ています。
円広志は、自身の心の葛藤を、これほどまでに大衆に受け入れられるメロディと歌詞に昇華させる才能を持っていることが証明されました。
夢想花
歌:円広志 詞:円広志 曲:円広志
忘れてしまいたいことが
今の私には多すぎる
私の記憶の中には
笑い顔は遠い昔
いつの日にかあなたがくれた
野の花がノートにありました
そして私は蝶になり
夢の中へとんでゆくわ
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
愛し合った日々のこと は
今日を最後にしたいけど
あなたを憎む勇気さえ
教えてくれなかったわ
素直な気持ちをあなたに
伝えるすべを知っていたなら
今は静かに心を閉じて
夢の中へとんでゆくわ
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
素直な気持ちをあなた に
伝えるすべを知っていたなら
今は静かに心を閉じて
夢の中へとんでゆくわ
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる
とんで とんで とんで とんで とんで
とんで とんで とんで とんで
まわって まわって まわって まわる…