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中原理恵「東京ららばい」について
「東京ららばい」は、1978年にリリースされた中原理恵の代表曲のひとつで、作詞は松本隆、作曲・編曲は筒美京平という黄金コンビによる作品です。都会の孤独や刹那的な恋愛模様を、ララバイ(子守唄)という形で描いたこの曲は、昭和の東京の夜を象徴するようなムードを持っています。
午前三時の東京湾、奥のカウンターでブランデーを開ける男、鏡に映る少女の幻影…といった描写が、都会の孤独と虚しさを詩的に表現しています。軽快なテンポながらも、どこか哀愁を帯びたメロディが印象的で、ディスコ調のアレンジに乗せて、切ない物語が展開されます。
昭和歌謡の中でも、都会的でスタイリッシュな楽曲として人気があり、この曲で紅白歌合戦にも出場しています。
東京ららばい
歌:中原理恵 詞:松本隆 曲:筒美京平
午前三時の東京湾(ベイ)は
港の店のライトで揺れる
誘うあなたは奥のカウンター
まるで人生飲み干すように
苦い瞳(め)をしてブランデーあけた
名前は? そう、仇名ならあるわ
生まれは? もう、とうに忘れたの
ねんねんころり寝ころんで眠りましょうか
東京ララバイ 地下がある ビルがある
星に手が届くけど
東京ララバイ ふれ合う愛がない
だから朝まで ないものねだりの子守唄
午前六時の山の手通り
シャワーの水で涙を洗う
鏡の私 二重映しに
レースの服の少女が映る
愛をうばった二年が映る
愛した? そう、数知れないわね
別れた? もう、なれっこみたいよ
ねんねんころり寝ころんで眠りましょうか
東京ララバイ 夢がない 明日がない
人生はもどれない
東京ララバイ あなたもついてない
だからお互い ないものねだりの子守唄
孤独さ、そう、みんな同(おんな)じよ
送るよ いい、車をひろうわ
ねんねんころり寝ころんで眠りましょうか
東京ララバイ 部屋がある 窓がある
タワーも見えるけど
東京ララバイ 幸せが見えない
だから死ぬまで ないものねだりの子守唄