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中島みゆき「ホームにて」について
中島みゆきの「ホームにて」は、1977年にリリースされたアルバム『わかれうた』に収録された楽曲で、彼女の初期の代表作のひとつです。深い郷愁と人生の旅路を描いた歌詞が印象的で、聴く人の心に静かに染み渡るような名曲です。
歌詞には「ふるさとへ向かう最終に乗れる人は急ぎなさい」といったフレーズが登場し、帰郷の切なさと時間の流れが描かれています。駅のホームは、物理的な場所であると同時に、心の拠り所や人生の節目を象徴しています。ネオンライトでは燃やせない「ふるさと行きの乗車券」という表現が、現代の喧騒の中で失われた心の温もりを象徴しています。
この曲は、単なる「帰郷ソング」ではなく、人生の選択や時間の不可逆性を静かに問いかける作品です。聴くたびに新しい感情が湧き上がる、そんな深みのある一曲です。
ホームにて
歌:中島みゆき 詞:中島みゆき 曲:中島みゆき
ふるさとへ 向かう最終に
乗れる人は 急ぎなさいと
やさしい やさしい声の 駅長が
街なかに 叫ぶ
振り向けば 空色の汽車は
いま ドアが閉まりかけて
灯りともる 窓の中では
帰りびとが笑う
走りだせば 間に合うだろう
かざり荷物を ふり捨てて
街に 街に 挨拶を
振り向けば ドアは閉まる
振り向けば 空色の汽車は
いま ドアが閉まりかけて
灯りともる 窓の中では
帰りびとが笑う
ふるさとは 走り続けた ホームの果て
叩き続けた 窓ガラスの果て
そして 手のひらに残るのは
白い煙と 乗車券
涙の数 ため息の数
溜ってゆく 空色のキップ
ネオンライトでは 燃やせない
ふるさと行きの乗車券
たそがれには 彷徨う街に
心は今夜も ホームにたたずんでいる
ネオンライトでは 燃やせない
ふるさと行きの乗車券
ネオンライトでは 燃やせない
ふるさと行きの乗車券