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    長渕剛「18インチの罠」について

    「18インチの罠」は、長渕剛が1982年に発表したアルバム『時代は僕らに雨を降らしてる』に収録されています。
    この曲は、都会に夢を追ってやってきた少女の視点で描かれていて、現実とのギャップや心の葛藤が繊細に表現されています。「しあわせですか」という問いかけが何度も登場し、夢を追うことの切なさや希望が交錯する印象を受けます。タイトルの「18インチ」は、テレビやモニターのサイズを指していると思われ、夢や現実を映す“画面”のような意味が込められているのかもしれません。


    18インチの罠
    歌:長渕剛 詞:長渕剛・松井五郎 曲:長渕剛

    かわいい瞳をした少女がひとり
    造花のバラに水をやっている
    17の春の荷造りを終え
    都会に歌を捜しに来たという

    しあわせですか ねえしあわせですか
    うたかたの夢がそこにひとつだけあった

    出会いはいつも甘い蜜の味
    差し出されるもの全てが輝いていた
    右も左もわからぬまま
    ほほえんでいられれば それでよかった

    しあわせですか ねえしあわせですか
    うたかたの夢に 嘘などないんだと信じてた

    悲しい過去をひきずっていても
    ガラスの靴でシンデレラにもなれたし
    12時過ぎても 自由はなかったけど
    白いドレスでお姫様にもなれた

    しあわせですか ねえしあわせですか
    うたかたの夢に まばたきするひまもなかった

    365日が1秒で
    月日はいつしか燃えつきてしまってた
    ある夜うしろを振り返ってみたら
    からっぽの星くず つかみかけてた

    しあわせですか ねえしあわせですか
    うたかたの夢を 初めて心に問いかけた

    正直な自分を取り戻そうと
    勇気をふるって叫んでみたけれど
    よどんだ流れのまっただ中じゃ
    どこへも声は 届かなかった

    しあわせですか ねえしあわせですか
    うたかたの夢は 闇の中へ沈もうとしていた

    耳をふさげ 口を閉ざせ その瞳つむれと
    そんなはりめぐらされた罠に落ちる前に
    初めて自分の言葉を持って
    心の傷口 つくろい直した

    しあわせですか ねえしあわせですか
    うたかたの夢に 安らぎなどひとつもなかった

    夢を唄っていたいだけだったのに
    夢を唄えぬ日々が多すぎた
    かわいい嘘もつけないからこそ
    大きな嘘を信じすぎた

    しあわせですか ねえしあわせですか
    うたかたの夢に 静かに幕をおろした

    かわいい瞳をした少女がひとり
    咲いたばかりのバラに水をやる
    明日からは いついつまでも
    こもれ陽の中で眠ればいいさ

    しあわせですか ねえしあわせですか
    確かな夢が ここにひとつだけあった

    しあわせですか ねえしあわせですか
    確かな夢が ここにひとつだけあった
    確かな夢が ここにひとつだけあった






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