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    長渕剛「とんぼ」について

    「とんぼ」は、1988年にリリースされた彼の代表曲であり、日本の音楽史に残る名曲として知られています。
    この曲は、長渕剛自身が主演を務めたTBS系テレビドラマ『とんぼ』の主題歌として制作されました。ドラマは、ヤクザの世界に生きる男の孤独や、社会の不条理、家族との絆を描いた骨太な作品です。長渕剛が演じた主人公・小川英二の生き様と、この楽曲が持つメッセージ性が完璧に一体となり、大きな反響を呼びました。
    1980年代後半、日本はバブル景気の絶頂期にあり、消費や享楽がもてはやされていました。しかし、「とんぼ」の歌詞は、その華やかな時代の裏側にある人間の孤独や挫折、そして社会の矛盾を鋭く描き出しています。「死にたいくらいに憧れた 花の都 大東京」というフレーズは、地方から都会に出てきた若者たちの夢と現実とのギャップを象徴しており、多くの人々の共感を呼びました。
    タイトルの「とんぼ」は、幸せの象徴として描かれ、それが「舌を出して笑ってらあ」という表現で、手の届かない存在として描かれています。これは、希望が失われた現状を歌っていると解釈されています。
    当時の長渕剛のトレードマークであった力強いアコースティックギターを主体としたフォークロック調のサウンドが特徴です。 怒りや悲しみといった剥き出しの感情をストレートにぶつけるような歌唱スタイルは、単なるエンターテイメントを超えた強いメッセージ性を持っていました。
    時代に流されず、自分自身の信念を貫こうとする男の生き様を歌い上げたこの曲は、多くの人々に勇気を与えました。


    とんぼ
    歌:長渕剛 詞:長渕剛 曲:長渕剛

    コツコツとアスファルトに刻む 足音を踏みしめるたびに
    俺は俺で在り続けたい そう願った
    裏腹な心たちが見えて やりきれない夜を数え
    逃れられない闇の中で 今日も眠ったふりをする

    死にたいくらいに憧れた 花の都 大東京
    薄っぺらのボストン・バッグ 北へ北へ向かった
    ざらついたにがい砂を噛むと ねじふせられた正直さが
    今ごろになって やけに骨身にしみる

    ああ しあわせのとんぼよ どこへ
    お前はどこへ飛んで行く
    ああ しあわせのとんぼが ほら
    舌を出して笑ってらあ

    明日からまた冬の風が 横っつらを吹き抜けて行く
    それでもおめおめと生きぬく 俺を恥らう
    裸足のまんまじゃ寒くて 凍りつくような夜を数え
    だけど俺はこの街を愛し そしてこの街を憎んだ

    死にたいくらいに憧れた 東京のバカヤローが
    知らん顔して黙ったまま 突っ立ってる
    ケツの座りの悪い都会で 憤りの酒をたらせば
    半端な俺の 骨身にしみる

    ああ しあわせのとんぼよ どこへ
    お前はどこへ飛んで行く
    ああ しあわせのとんぼが ほら
    舌を出して笑ってらあ

    ああ しあわせのとんぼよ どこへ
    お前はどこへ飛んで行く
    ああ しあわせのとんぼが ほら
    舌を出して笑ってらあ






    Chord Diagram