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    ちあきなおみ「喝采」について

    ちあきなおみの「喝采」は、1972年にリリースされた彼女の代表曲であり、日本レコード大賞を受賞した名曲です。深い悲しみと芸能人としての宿命を描いたこの楽曲は、昭和歌謡の中でも「演劇歌謡曲」と呼ばれるほど物語性が強く、今なお多くの人々の心に残っています。
    「喝采」というタイトルは、悲しみの中でも舞台に立ち続ける歌手に向けられた拍手の意味とも取れます。観客の喝采は、彼女の痛みを知らずに送られるものかもしれません。それでも彼女は歌う——その姿にこそ、真の芸の力が宿っているのです。


    喝采
    歌:ちあきなおみ 詞:吉田旺 曲:中村泰士

    いつものように幕が開き 恋のうた うたう私に
    届いた報(し)らせは 黒いふちどりが ありました

    あれは三年前 止めるあなた 駅に残し
    動き始めた汽車に ひとり飛びのった

    ひなびた町の昼下がり 教会の前にたたずみ
    喪服の私は 祈る言葉さえ 失くしてた

    つたがからまる白い壁 細いかげ長く落として
    ひとりの私は こぼす涙さえ 忘れてた

    暗い待合室 話すひともない私の
    耳に私のうたが 通りすぎてゆく

    いつものように幕が開く 降りそそぐライトのその中
    それでも私は 今日も恋のうた うたってる






    Chord Diagram