MENU
高石ともや「チューインガム一つ」について
「チューインガム一つ」(高石ともや)は、子どもの視点で“罪悪感・恐怖・後悔・母への愛”を描いた関西フォークです。“子どもの告白”という語り口が強烈で、URC系フォークの社会性・リアリズムを象徴する一曲です。“子どもの小さな罪”を通して、家庭・しつけ・愛情・後悔を描いていますが、説教臭さはなく、子どもの心の揺れをそのまま描くことで、聴き手に考えさせる構成となっています。
チューインガム一つ
歌:高石ともや/詞:村井安子/曲:高石ともや
先生 おこらんとって 先生おこらんとってね
私 ものすごく 悪いことした
私 お店やさんの チューインガム取ってん
一年生の子と二人で チューインガム取ってしもてん
すぐ 見つかってしもた きっと神さんが
おばさんに 知らせたんや
私 ものも云われへん 体がおもちゃみたいに
カタカタふるえるねん
お母ちゃんに みつからへんと思とったのに
やっぱり すぐみつかった
あんな こわいお母ちゃんの 顔見たことない
あんな悲しそうな顔 見たことない
死ぬくらい たたかれて
「こんな子 うちの子と違う 出ていき」
お母ちゃんは 泣きながら そない云うねん
私 一人で出て行ってん
いつでも行く 公園に行ったら
よその国へ 行ったみたいな気がしたよ 先生
どこかへ行こう思った でも なんぼ歩いても
どこへも行くとこ あらへん
なんぼ考えても 足ばっかりふるえて
なんにも 考えられへん
遅うに家へかえって 魚みたいに
お母ちゃんに あやまってん
お母ちゃんは 私の顔を見て
泣いてばっかりいる
私はどうして
あんな悪いことしてんやろう
もう二日も たっているのに
お母ちゃんはまだ 淋しそうに泣いている
先生 どないしよう