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    風「あの唄はもう唄わないのですか」について

    「あの唄はもう唄わないのですか」は、風の2枚目のシングルで、1975年12月10日にリリースされました。 かつての恋人がステージで唄っていた「あの唄」にまつわる思い出を、女性の視点で描いています。別れた後もその唄を忘れられず、再び聴きたいという切ない気持ちが込められていて、とても感情豊かな楽曲です。オリコンチャートでは最高24位を記録し、風の代表的な楽曲のひとつとして今も多くの人に支持されています。静かなメロディと深い歌詞が心に染みる、そんな一曲です。


    あの唄はもう唄わないのですか
    歌:風 詞:伊勢正三 曲:伊勢正三

    今朝新聞の片隅に
    ポツンと小さく出ていました
    あなたのリサイタルの記事です
    もう一年経ったのですね

    去年もひとりで 誰にも知れずに
    一番うしろで見てました
    あの唄 もう一度聞きたくて
    私のために作ってくれたと
    今も信じてる あの唄を…

    あなたと初めて出会ったのは
    坂の途中の小さな店
    あなたはいつも唄っていた
    安いギターをいたわるように

    いつかあなたのポケットにあった
    あの店のマッチ箱ひとつ
    今でも 時々とりだして
    ひとつ つけてはすぐに消します
    あなたの香りがしないうちに

    雨が降る日は 近くの駅まで
    ひとつの傘の中 帰り道
    そして二人で口ずさんだ
    あの唄はもう唄わないのですか
    私にとっては思い出なのに






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